最高裁判所第二小法廷 昭和27年(あ)4835号 判決 1953年12月25日
主文
本件上告を棄却する。
理由
一、被告人の上告趣意第一、二点について
論旨は原判決の違憲を云々するけれども、その実質は単なる食糧管理法令の解釈を争うことに帰し上告適法の理由に当らない。なほ、昭和二三年産米について作付前のいわゆる事前割当手続のない限り産米供出義務が発生しない旨の被告人の主張の理由のないことは昭和二三年一二月一八日改正の食糧管理法施行規則附則二項の規定により明白であって、この点に関する原判決の判断は正当である。
一、同第三点、続迫加上告趣意第四点中の補完第三点及び徹底的上告趣意
所論はいずれも事実誤認の主張であって上告適法の理由に当らない。
一、続追加上告趣意第四点
所論中引用の判例は食糧確保臨時措置法の解釈に関するものであって本件昭和二三年産米につき適用さるべき食糧管理法令に関するものではないから右判例は本件に適切でなく、論旨は理由がない。
一、最終上告趣意及び終局上告趣意
所論はいずれも単なる法令違反の主張であって適法な上告理由に当らない。
被告人の拡張上告趣意は上告趣意書提出期間後に提出されたものであるから、これに対しては判断を加えない。
なお、記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。
よって同四〇八条により主文のとおり判決する。
この判決は、裁判官全員一致の意見である。
(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)